【ボーク重子さんインタビュー】小学生以降の子どもとの関わり方

ライフコーチとして講演会やワークショップを展開し活躍するボーク重子さん。娘のスカイさんが、全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で優勝したことで、ボーク重子さんの子育て法「非認知能力」が注目を集めています。ボーク重子さんが実践した「非認知能力」とは、どのような子育てなのでしょうか?今回は学童期編です。

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自身の失敗から学んだ非認知能力の重要性

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私は幼いころから「よい高校、大学、会社に入り、よい相手を見つけて結婚をすれば一生安泰だから、とにかく勉強をしなさい」、そう言われて育ちました。これは、私の家が特別に教育熱心だったわけではなく、当時の「幸せへ向かうレール」に子どもを乗せようと考えるごく普通の家庭の在り方だったように思います。

私は親に言われるままに勉強をしました。最初は学校の成績も優秀でしたが、中学生のある日、いつもならある程度の点数が取れるテストで点数が取れなくなりました。そして心が折れたのです。たったひとつのテストの結果で心が折れてしまい勉強をやめたのです。周囲から、高校は県で一番の進学校に行けると言われていたのに到底無理で、大学受験のときでさえまともに勉強せず、そのまま暗黒の20代を過ごしました。

  

アメリカが20年間実践してきた「非認知能力」教育

 大学を卒業後、外資系企業にしばらく勤めた後に辞め、イギリスでアートを学びました。主人と出会ってアメリカで結婚、出産。そしてワシントンDCにアートギャラリーを開きたいという夢を持つようになり、ようやく自分がやりたいことに自信を持つことができるようになったのです。それと同時に娘のことも、私のように自信のない指示待ち人間になってほしくないという思いが強くなりました。

 

家庭のコミュニティーこそ最強の非認知能力を育む

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私たちの暮らすアメリカも、実は20年前まではIQや学力テストなどの認知能力ばかりを重視する日本と似たような教育が一般的でした。私は、娘には私と同じ経験をさせたくない一心で、非認知能力の教育法を行っている学校を探し通わせたのです。

非認知能力を育てる条件は、「存在を認める」「個性を認める」「楽しい」「パッション」の4つ。

すぐに家庭でも日々そのことを意識し、実践しました。親子で会話する時も、娘が言いたいことを言いやすい雰囲気にして、娘の意見に全力で耳を傾けてきました。娘が何かで失敗しても、それまでのプロセスや頑張りを認めて励まし、習い事のバレエを楽しそうに頑張っていた娘のパッションも尊重しました。

 

家庭内のルール作りで子どもの責任感を育てる

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子育ての基本は家庭。家族というのは、社会におけるいちばん小さなチームです。チームには必ず目的があります。家族というチームが目指す目的は、やっぱり「みんなの幸せ」だと思いますが、その目的を達成するためには家庭におけるルールも大切になってきます。

ルールは、親はもちろんですが、小さい子どもであっても決められたことは守ります。例えば、「宿題は自分ひとりでやる」「靴紐は自分で結ぶ」というふうに、やれることはできる限り自分でやります。重要なのは、親が決めたルールを一方的に子どもに押しつけるのではなく、「あなたは家族のためにどういうことができると思う?」と子どもに聞きながら、子ども主導でルールを決めさせることが大切です。これは、押しつけでは子どもの責任感が育たないためです。

また、子ども自身が決めたルールであっても、問題が起きて守れないということも出てきますが、そういうときも叱らず、まず、ルールを守れなかった理由を聞きます。理由を聞けば、「もっともだ」ということも多いもの。「ルールは絶対に守るべきもの」ではなく、家族の幸せを目指すための「ガイド」だととらえ、ていねいに対話し、家族のルールを確立させていくのです。

  

遊びの中のルールから学ぶ問題解決能力

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「ルールは守るべきもの」という考えを持っている人にとっては、ルールの対極にあるように思えるものが「遊び」かもしれません。そういう親御さんからすれば、遊びは禁じたり制限したりするものというとらえ方をしてしまうはずですがそうではありません。じつは遊びには子どもの成長を促す大切な要素が詰まっています。

そもそも、「ルールを守る」という姿勢だって、遊びが伸ばしてくれることのひとつ。あそびの中で体験する「ルール」には多くの学びもあります。ルールを守ることの中には、問題解決能力を伸ばすということにもつながります。

この時も、子どもの成長に遊びが大切だからといって、「これで遊びなさい!」と親が押しつけてしまってはなんの意味もありません。ちょっと乱暴な言い方をすれば、子どもは放っておけばいいのです。子どもは退屈すれば自分で楽しくしようとしますから、ぼーっとさせておくと何かをはじめて自然に遊びだすはずです。

しかも、そういうときの子どもはものすごく考えています。つまらないからこそ、「なんとか楽しくしよう」と考えてなにかをはじめる。当然、これは考える力を育むことにもなります。子どもにとっては、退屈な時間ってそれほど悪いものではないのです。

  

小1から朝食作りも!非認知能力を育むためにできること

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非認知能力を育むため、心掛けたのが「自分は必要とされている」と子ども自身が実感すること。考えを押しつけたり、意見を否定したりせずに、「どう思う?」「あなたならどうする?」と口癖のように質問し、娘の言葉に耳を傾けました。思考力や表現力を育むとともに「自分の思っていることを言ってもいい」という自信を持ってほしかったからです。

また、小学1年生のころから、毎週日曜は家族3人分の朝食づくりを娘に任せました。500円ぐらいで買えるものは何か、火や包丁を使わずに作れるのはどんなメニューかなど、いろいろ考えて作っていました。初めて出てきたのは、レタスとイチゴ。「どうやって、へたを取ったの?」などと尋ね、「それは発見だったね」と感想を伝え肯定感を育みました。

  

トップクラスの学校では「非認知能力の教育」を実践している学校も!

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日本も、トップクラスの中高一貫校では非認知能力の教育にかなり力を入れはじめているようです。今までは、そういう一部の学校に通う子どもにしかチャンスが与えられてこなかったのですが、文部科学省は2020年に非認知能力の育成を取り入れた教育改革することを決めました。そのインパクトはかなり大きいものだと私は考えています。

 

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ボーク重子

ICF認定ライフコーチ。米・ワシントンDC在住。2004年、アジア現代アートギャラリーをオープン、2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」のひとりに選ばれる。2017年、一人娘であるスカイが「全米最優秀女子高生コンクール」で優勝し、多くのメディアに取り上げられる。現在は、日米で講演・執筆活動中。主な著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)がある。

  

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