学習指導要領改定!2020年教育改革でこどもの教育はどう変わる?家庭でできることは何?

学習指導要領改定!2020年教育改革でこどもの教育はどう変わる?家庭でできることは何?

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教育改革、つまり、大学入試の変化や学習指導要領の改訂、小学校の英語の教科化やプログラミング学習の導入など、よく聞くワードではあるけれど、実際には何がどう変わっていくのか、どこまで把握していますか?また、この教育改革が普段の家庭学習のスタイルにも大きく影響するとしたら、それがどのようなものか、考えたことはありますか?

今回はこの「教育改革」について、2020年度の新学習指導要領改訂前に、
小学館の学習教室 まなびwith白山校の先生にお話を伺いながらご紹介していきます。

「え!教育改革って何?」という方、「教育改革ね、知ってる(けど詳しくは…)」という方、「教育改革に向けて家庭学習を効果的に見直したい!」と思っている方、ぜひご一読ください。

  

みんな気になる「教育改革」。でも、何がどう変わるのか知っていますか?

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今回お話を聞いたのは、小学館の学習教室まなびwith白山校の甘利先生と布施先生(写真右→左)。

お二人によれば、教育改革や新学習指導要領について、保護者の方から質問が増えているという。小学生低学年の保護者の関心は、大学入試を見据えた高校や中学校のカリキュラムというより、やはり小学校がどう変わるかについて。例えば「小学校の英語教育はどうなっていくの?」「授業はどうなるの?」という質問が多いとのこと。

その中で、「2020年に教育改革が行われるのは知っている、でもどう変化するかはわからない」という方が多い印象も受けるという。

そこで今回は、実際に小学校の授業がどんな風に変わっていくのか、お二人のお話をもとに、紹介していきます。

  

教育改革は、なぜ「2020年」のタイミング?

まず、その前に、どうして今このタイミングで教育改革の必要があるのかを紐解いていきます。

教育改革のはじまりは「大学教育改革」。これは、教育の目的を「大学入試」にしないということ。社会に出たときにグローバルに活躍できる人材を育てないと日本が危ないよ、という危機感です。さらに、日本の教育では、知識・技能の習得が重視されてきた歴史がありますが、これからは、知識や技能をいかに活用するか、いかに他者と関わりながら課題を解決していくかに学力の焦点が当たるようになります。

グローバル化という面では、英語教育は義務教育化されたが、英語については日本以外では国ごとの取り組みがあり、そこに追いつきたいという考えがあると言います。

布施:東京オリンピック開催年、学習指導要領改訂と、教育とグローバルイベントが集中する2020年。経済や国際化など様々な要素が絡み、この2020年は日本の教育において、ひとつの区切りになると言えます。

 

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教育改革の重要キーワード「主体的・対話的で深い学び」アクティブ・ラーニングとは

さきほど述べたとおり、今までの知識・技能の習得を図るような授業スタイルから、それを「いかに活用したり表現したりするか」という動きへ変化しています。新学習指導要領では『主体的・対話的で深い学び』と記載されており、ここが今回の改訂のポイント

甘利:今までの授業としてイメージしやすいのが、先生のお話を生徒さんが聞くという講義形式ですよね。でもこれからは、例えば「生徒同士で話し合う」、「生徒が代わりに先生のような模擬授業」するというシーンが見られるようになるかもしれません。質疑応答・ディベートなどで「対話を通して自分の意見と人の意見を照らし合わせる」ことが重視されます。伝え方が一方的ではない授業の形と思っていただけると、イメージしやすいのではないでしょうか。

確かに、グループワークなどの授業が増えているのを肌で感じている保護者の方は多いのでは。こういった形式の授業がもたらす重要な点、それは「知識の定着率」です。

布施:いわゆる講義型の授業だと、知識定着率が5%に留まります。しかしグループで討論したり、体験したり、互いに教えあう。そうすると、子どもたちが主体的に授業に参加できるようにもなって、知識の定着率も高まるという研究結果が出ました。この土台となる3層の学びがとても大切なのです。

 

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身につく「知識」と「楽しい体験」は結びつく

お二人によれば、上の図のように、知識と体験を結びつけていくことについては、幼児や小学校低学年で身に付きやすい学習形態だといいます。

布施:机上の勉強だけで身に付く知識には限界があります。それを実際に外へ出て、「そういえばこういうことがあったな」といろんな知識を活用するという学習方法があると思います。知識を身に付けるためには実際に体験してみる・経験してみる、そうするとやっぱり面白い・楽しいなっていう循環になります。無機質な問題って、子どもにとっては解きにくいものなのです。そこにストーリーがあったり物語を付けたりすると、とたんに身に付きやすくなります。ドラキッズとかキッズパル(まなびwith白山教室と同じく、株式会社小学館集英社プロダクションが運営する幼児、小学生教室)では、時刻の学習を年少から学びます。実際に朝になったよ、寝ているよねというとこからスタートし「ああ6時だ。起きた」など、ちょっと楽しみながらストーリーを付けています。

甘利:たとえば、通信教育まなびwith幼児コースの教材には、図鑑や、体験に特化したコンテンツが入っていますが、そのあたりも、知識と体験を結びつけるのにぴったりの教材ですね。こういった教材は、特に小さいお子さんほど効果的です。

小学校低学年のお子さんはもちろん、幼稚園や保育園に通っているうちから、家庭で知識と体験を結びつける学びのスタイルを意識していくのがよいようです。

 

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知識を活用し、考えていることをどう表現するか。教育改革のカギは「読解力」と「思考力」

また、自分の考えていることを他者に上手に伝える力が求めらるわけですが、これについては2つのカギが。それは、「読解力」と「思考力」です

甘利:低学年は、単語を並べるところから文章を作ります。しかし、単語は理解しているはずなのに、文章になった途端に、文が表している場面が想像できないということがあります。

つまり、文章を作る前に先立って必要なのは、文章が何を表しているかを読み解く力、すなわち「読解力」。文章を読んだときに「これは何を表しているか」というところを普段からきちんと考える習慣をつけることが、読解力に結びつき、文章を作るなど、表現する力につながっていきます

自分の考えを伝える、ということにちなんで言うと、6年生に実施している全国学力テストの調査では、自由記述の問題の無回答率が多いことが問題になったことがります。答えがある問題には答えられるが「自由に考えてみなさい」「どういうことが考えられますか」など、自由度が高い質問になるとどうしても答えにくいという状況が発生しているということです。

甘利:実はこの全国学力テストで1位を取ってる秋田県は無回答率が低いんです。考えて、何かしら書くんです。間違っていたとしても考え抜いて記入する。違ってたって考えるってことが、とても大事なんです。ただ、「どう考えたらいいかわからない」という子もいますよね。比較したり、列挙したり、原因と理由を紐付けたり。そういう考えるコツみたいなものが身についていないと、やみくもに考えるっていうのは、大人だって難しいですから。でも考えた方のパターンをいっぱい持っていれば「こういうときどうしようかな」と考えるための武器になるんです。「思考力」ですね。それを、まなびwithでは、「思考の達人ツール」を使ってトレーニングしています。

  

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誤解していませんか?教育改革の「プログラミング学習」によって育つ力とは?

また、今回の改定で話題になっているのが「プログラミング学習」の導入。革新的な語感やニュース性の高さからその本当の趣旨や内容を誤解している保護者の方も少なくないといいます。

布施:これはプログラマーを育てようという、技術的なことを第一目標にした学びではありません。筋道立てて考えるそのツールとしてプログラミング学習はスタートしているのです。物事を解決するときに、記号をどう組み合わせると解決しやすいのか。そういった思考の方法の一つなのです。プログラミングで用いられる問題解決の思考法を体系的に学ぶものです。

ちなみに、プログラミング学習に関する評価は、小学校では文章表記で行うことになっているといいます。どういう思考法でどういう課題に取り組んだか、事実を残すかたちで評価します。

  

教育改革の家庭学習のキーワードは、ずばり「自己肯定感」を育むこと

最後に、学校教育や入試において、主体性が求められるように変わっていく中で、家庭での学習において保護者が意識しておくとよいのは何なのか、お二人に聞いてみました。

布施:自己肯定感を育むことを意識してほしいです。これは学習にとっては大切な要素です。なので、まずご家庭が、お子さんがのびのびと発言ができるとか、自分の考えを出せる場所であってほしいと思います。否定されたらもう人間は自分を出せなくなります。そうなると、自分の考えを伝える機会が失われてしまいます。だから、まず受け止めることがとても大事です。

甘利:基礎的な問題の他にも、少し頭を使って違った視点で考えるような発展的な問題などは、対話しながら進めることでより理解が深まります。子どもが考えたことを否定せず、コミュニケーションを深めながら学びを進めることで、お子さんの自己肯定感が養われます。深い思考が必要とされる作文などは、あきらめずに思考する力にも結び付いていきますので、ご家庭でも取り組んでほしいですね。

 

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教育改革に適した学びが、家庭でできる!

いかがでしたでしょうか。2020の教育改革の内容とこれからの家庭学習などについて、小学館の学習教室まなびwith白山教室のお二人にお伺いしました。大学入試や中学校、高校といった先のこととしてぼんやりしていた幼児や小学生の保護者の方も、教育改革がぐっと身近に感じられたのではないでしょうか。

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また、小学館の通信教育まなびwithは、2020年の新学習指導要領に対応した内容。国語、算数(※小3コースからは理科・社会もカバー)などの基礎学力のベースアップはもちろん、思考力を育てる通信教育教材として、答えのない問いにも自分の力でたどり着く力を育てます。コースは年少〜小6まで。まずは資料をご請求ください。

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