計算ミスをどう防ぐ?<タイプ別・学年別>で今すぐ実践できるコツ!

計算ミスをどう防ぐ?<タイプ別・学年別>で今すぐ実践できるコツ!

「また計算ミスで減点~!もったいない!」

お子さんの宿題を見ているときや、お子さんがテストやプリントを持ち帰ったとき、こういうことありませんか?今回は、子供の計算ミスが治らない!ケアレスミスががひどい!と嘆いているお家の方必見!「今すぐ実践できる計算ミスを減らす方法」をご紹介していきます。

一口に計算ミスといっても、原因によって改善アプローチが異なります。

今回は計算ミスをするパターンにはどのようなものがあるのか、また、学年別にミスを起こしやすい単元などを紹介し、その解決方法もそれぞれご紹介していきます。

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ケアレスミスの代表格「計算ミス」!計算ミスをなくすメリットって?

各単元の理解度に着目して苦手をなくしていこうと思うことはよくありますが、計算ミスをゼロにしよう!と必死になることは余り少ないようにも思います。それでも計算ミスはとてももったいないミス。減らすことで下記のようないいことがあります。

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◎子どもの自信になる!

日々の学校の小テストなどでは、得点=理解度と判断されることもあり、自信満々だったはずのテストに×がついて戻ってくると、「やればできる子なのに」「自信をつけさせてあげたい」と思う保護者の方も多いはず。

お子さんにとって得点は自信に直結するので、計算ミスが減り、得点が上がることで自信がつき、新しい単元の学習にも意欲的に取り組めるようになります。

 

◎中学受験の対策にも!

中学入試では、大設問【1】に計算問題を出題する学校が多いようです。塾などでも「【1】は確実に!計算ミスは命取り」などと指導されることもあり、算数に苦手意識のあるお子さんは受験時に相当なプレッシャーを感じています。

複雑な計算が必要な問題もありますが、ここですべての問題を正しく計算できれば精神的に落ち着き、集中力も上がって良い状態で次の問題に進んでいけます。

 

◎今後、 さまざまな教科に関わってくる!

現在は算数だけかもれませんが、中学生、高校生と進学していくにつれ、方程式や微分積分とレベルアップしていく数学の他にも、物理・化学などの理系科目などにも関わってきます。高校受験・大学受験もイメージしながら小学生のうちから計算ミスを防ぐ癖をつけて備えておきたいものです。

 

 

計算ミスの原因を探ると、対策ができる!

計算ミスには原因があります。計算力が弱くて間違えてしまうのか、計算力はあるのに急いだり勘違いしたりして答えが間違ってしまうのか、まずは原因を探りましょう。単純な計算問題は確実な計算力を身につければ、応用力に自信がなくても得点を重ねることができるようになります。たくさんの問題を解くうちに、「くり下がりが苦手」「小数点の位置に悩む」など、自分のウィークポイントが分かってきます。その部分をしっかり補強してあげましょう。

また、計算力はきちんとついているのであれば、ミスの原因を把握してミスを回避、修正する技を身につけることで計算ミスは減っていきます。人間なのでミスをゼロにすることは難しいですが、「とにかく早く答えを書きたくなってしまう」「数字の書きうつしで間違えることが多すぎる」など自分のミスの傾向を知ることができれば予防にもつながりますね。

検算の方法を理解することで、計算力はより確かなものになります。正しい検算の方法で、1問ごとに検算をする習慣をつけましょう。

 

 

子のタイプにもよる?!ミスのパターンと、改善方法!

計算ミスの原因を子どものタイプで分けてみると、大体は下記の4パターンに分かれます。


<A>計算力弱めタイプ

…自信がない、勘違いしてしまう、結果的に混乱する


<B>とにかく雑!タイプ

…筆算で、縦にそろえるべき位がずれてしまうと計算する数字もずれてしまう


<C>せっかちタイプ

…スピード重視!早く計算することに重きを置いてしまうので見間違いやミスが多発する


<D>見直し嫌いタイプ

…自信家で、答えが正しいと思いこみ、検算も雑になってしまう

 

これらを前提に、タイプ別の改善方法をご紹介していきます。

その前にまず、計算ミスを見つけた場合に大事なのは、とにかく叱らないことです。強く叱られてしまうと自信を無くしてしまったり、「できないのではなくてちょっとしたミスなのに」と拗ねてしまったりして逆効果になることがあります。


まずはミスの原因を見極めてください。そして、「ゆっくり、ていねいに、正確に計算する」ことの重要性を理解してもらいましょう。原因別のアプローチは次の通りです。

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<A>計算力弱めタイプ

何がつまずきポイントなのかを探り、ドリルなどで練習を重ねるよいでしょう。
何度も練習して苦手な計算の仕組みや方法を自分のものにしましょう。くり上がりやくり下がりに原因がある場合は、10をまとまりとして意識できるといいですね。


100ます計算も効果的です。四則演算で練習できますし、簡単なので計算練習というより速さを競うゲームのように感じて集中力がアップします。負担感が少ない割に徹底反復でケアレスミスが減っていく効果を感じる事ができますので、できるだけ褒めてモチベーションを上げてあげましょう。

 

<B>とにかく雑!タイプ

数字を雑に書いてしまって、採点する先生に「0?6?または9?」「1と7、7と9が同じ形に見える」などと思われてしまうのはとても残念ですし、本人もがっかりしてしまうのではないでしょうか。

筆算をするときにも無造作に書いてしまって、数字の位を縦にそろえておかないと、1の位と10の位がずれてしまって計算ミスにつながることがあります。
普段ノートをとるときなどから、ていねいに(ゆっくり)書く、正しい位置に書く、ということを徹底できるといいですね。

 

<C>せっかちタイプ

とにかくゆっくり計算することがポイントです。問題の数字を見誤り、筆算するときに書き間違えてしまったり、余白には正しい答えが出せているのに、解答欄への書きうつしでミスしてしまったりと、このタイプのミスは本当にもったいないです。

また、とにかく早く計算しようとして頭の中で九九を間違えてしまうなど、急いで計算しても良いことはありません。「早く計算できるんだから、ゆっくり計算したらもっと正しくできるはず」をお子さんに理解してもらいましょう。

 

<D>見直し嫌いタイプ

残念ながらこのタイプは、自信のあったテストに×があってもあまり落ち込まない子か多いのです。悔しがって「今度こそ!」と思ってほしいですよね。

「100点を取れる力があるのにもったいない」と大袈裟に言ってみて、「時間が余ってしまうのだから、答えをすぐに書かないで、ゆっくり2回ずつ計算してから書く」ように提案してみましょう。その上で1問ごとに見直しをする習慣をつけましょう。全部の答えが書けたらさらに最初の問題から検算をしていっておしまいにします。

  

  

この単元に注意!<学年別>ミスが起こりやすい単元は??

計算ミスといっても、どういう計算かによって防ぐ方法は変わります。ここでは、学年別に特に注意すべき単元を紹介していきます。

 

<1年生>くり上がりとくり下がり(10のまとまりが理解できていない)

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1年生の計算のヤマ場です。「10はいくつといくつに分かれるか」の理解がポイントです。タイルやおはじきを使って考えてみましょう。

 

2年生>筆算の計算(くり下がりとくり下がりを忘れる、位ずれ)

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位をそろえて一の位から順に計算していけば間違えにくい計算方法なのですが、習い始めのころは計算ミスが続出します。原因はくり上がりやくり下がりを忘れてしまうこと。くり上った「1」や借りてきた数字を小さくメモする習慣をつけましょう。

 

3年生>かけ算の筆算(計算の順番、位ずれ)

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筆算の仕組みの理解が十分でないと「位取り」を無視してしまいがちです。「それぞれの位ごとに分けて計算した数字を最後に合わせている」という仕組みを目と指で確認しておきましょう。

 

<4年生>小数のたし算・ひき算

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小数の計算で目立つのは、答えに小数点を打つのを忘れたり、小数点の位置を間違えたりするミスです。小さな点が大きな働きをすることをいつも忘れないようにしましょう。「3.776(m)」と「3776(m)」ではバスケットゴールの高さ(バックボード含む)と富士山ほどの違いがあります。

 

<5年生>小数のわり算で小数点の移動、あまりの小数点の位置

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わる数が小数のわり算では、わる数に合わせてわられる数の小数点を移しますが、わられる数に合わせて移したり、わる数だけ移してわられる数の方を忘れてしまったりすることが良くあります。「あまり」がある場合、小数点のうち忘れや、小数点の位置のミスなども起きてきます。

 

<6年生>分数のかけ算・わり算

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分数のわり算では「逆数(ある数をかけ算して、積が1になるときの、かける数のこと)」を使います。整数÷分数では、わる数(分数)を逆数にしてかけ算をする、分数どうしのわり算では、わる数を逆数にしてかけ算をする、という決まりをしっかり覚えておきましょう。

  

 

低学年・高学年のアプローチ

次に、計算ミスをなくすアプローチを、低学年・高学年それぞれに分けてご紹介していきます。

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<低学年の場合>

「10のまとまり」がしっかり認識できていないと、くり上がりやくり下がりでつまずいてしまいます。とくにくり下がりを難しく感じるお子さんがたくさんいますが、学年が上がると、たし算やひき算だけでなくあまりのあるわり算などにも影響してきます。

くり下がりが苦手そうだと感じたら、10のまとまりをしっかり身につけるためのゲームをおすすめします。

「10は7といくつ?」「10は9といくつ?」「2といくつで10」などと、10のまとまりを作る練習を、お風呂の中でも、お買い物の途中でも、クイズの形で遊んでみてください。どれだけ早く言えるか競争してみると楽しいので、おうちのかたと交替で問題の出し合いをしてみましょう。もし行き詰ったら、キャンデーやおはじきを10個用意して確かめてみてください。

「1と9」「2と8」「3と7」「4と6」「5と5」の5種類しかありませんから、繰り返しやっているうちに考えなくても答えられるようになると思います。

硬貨を用意して考えるのもお勧めです。「1円玉」が10個で10円になる、「10円玉」1個に換えましょう。「10円玉」が10個で100円です。「10円玉」は「十の位」を、「100円玉」は「百の位」を表します。
「1円玉」と「10円玉」をたくさん用意していろいろな数の計算を試してみましょう。

お金を使って10のまとまり(位取り)を考えることは、2年生以上の筆算の理解を助けてくれますよ。

 

<高学年の場合>

高学年になると自分を客観的に見ることができるようになってきます。

低学年の頃よりはテストの点数を気にしたり、惜しいミスは防げることが分かってきたりするので、どんな時にどんな計算ミスをしているのか、一緒に考えてみましょう。そして計算ミスの原因として思い当たることを書き出してみます。

それをもとに、自分だけのオリジナルチェックシートを作ってみましょう。

◆チェック項目の例(□に✔を入れます)

□ 急いで問題を読んだり、計算したりしなかった?
□ 同じ計算を もう一度した?
□ 計算を逆からやって検算をした?
□ 余白などで筆算したとき、問題文と同じ数字を正しく書いた?
□ 余白などに筆算で計算した答えを正しく書き写した?
□ 余白などに書いた筆算の位は正しい?
□ (  )のある計算では(  )を先に計算した?
□ (  )のない計算はかけ算やわり算を先に計算した?
□ 小数点の位置は正しい?  

 

こうして作り上げたシートを自宅で繰り返し使い、学校でテストを受ける時にも自分のチェック項目が思い出せるようにしておきましょう。

 

 

さあ実践!どんどん取り組んでレベルアップ!

ここまで、タイプ・学年別の対策をご紹介してきましたが、ともあれ、計算ミスを減らすためにはどんどん実践していくことが大事です。

特に夏休みなどの長期の休みの間は復習問題に取り組みやすいので、ぜひ実践してみましょう!

名探偵コナンゼミでは、8月号や12月号の特別号で復習ページを増量してお届けする他にも、毎月、単元のまとめ問題でしっかり復習。

解き方のポイントとなる解説も活用しましょう。基本に立ち戻って解き方を確認することで、自己流で解いてミスが多かったものに気付くきっかけにもなります。ポイントを絞ったページになっていますので、自分の苦手に気づき、苦手を克服するのに大変役立ちます。

ぜひこの機会に入会をご検討ください♪

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©青山剛昌/小学館 ©青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996 ©名探偵コナンゼミLLP


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著者プロフィール

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石山絵麻 先生
小学館集英社プロダクション コンテンツ開発室所属。長年、教育事業に関わり、数々の保護者の学習周りのお悩みを解決してきた家庭学習のプロ。

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