自分を見つめて未来に進む。/フットサル日本女子代表 宮原ゆかりさん〜インタビュー企画「叶えるちから、伝えるちから」〜

自分を見つめて未来に進む。/フットサル日本女子代表 宮原ゆかりさん〜インタビュー企画「叶えるちから、伝えるちから」〜

各分野で活躍している方の子ども時代からの話を聞きながら、目標実現の原動力や自己の発信力のヒントを得るインタビュー企画「叶えるちから、伝えるちから」。

今回登場するのはフットサル日本女子代表であり、日本フットサルリーグ(WFリーグ)のバルドラール浦安ラス・ボニータスで活躍している宮原ゆかりさん。実は管理栄養士として保育園に務めているという一面も。

 

幼少期から短大入学直後までずっと続けていたサッカーを「ボールを一生蹴らない」という決意で辞めた経験もある。それでも今フットサル選手として前へと突き進む彼女の力の源とは。

(写真提供:バルドラール浦安)

 

 

つかんだリーグ3連覇。今後はクラブチームとしてさらなる成長を。

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2023年1月。所属するバルドラール浦安ラス・ボニータスが9勝3分1敗という好成績でWFリーグ3連覇を遂げた。

 

嬉しいというよりは安心感です。他のすべてのチームが私たちから優勝を奪いに来ていた状況の中で、3連覇できたという安心感ですね。そんなチームに自分が所属しプレーできたことも光栄に思っています。

 

コロナ禍では有観客試合でも集客も厳しいものだったが、シーズン前からチームや地域に積極的に働きかけ、優勝を決めたホームゲームでは1,000人を超える観客動員数を記録。選手として多くのギャラリーの前でプレーしたいという気持ちから積極的な集客活動を行ったことももちろんだが、地域貢献への想いから、ボランティア活動など地域の人々とのコミュニケ―ションを大切にしてきたことも実を結んだ。

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今後はフットサルをメインとしたイベントなどをもっと増やして、チームと地域を結び付けていきたい。たとえば子どもたちが対象であれば、選手と触れ合って、同じコートでゲームをして、ゲームを見て、チームそのものが彼らの憧れになるといいなと思います。

 

 

「このままでは嫌だ」から生まれる軌道修正への前向きな意志。

親の仕事の都合で香港に暮らしていた幼少期にサッカーに出会った。体を動かすのが大好きだったこともありどんどん夢中になり、高校時代はキャプテンとしてチームを率いてインターハイに出場。好きを継続し結果を残すことができたのは、一度目標を決めたらまっすぐに突き進むことができる彼女の強みのおかげとも言えるが、一方で、石橋をたたくほど慎重、ひとりで考え込みがちな一面も。

 

キャプテンの経験からは、信頼してもらうためにはまず自分が周りを信頼すること、周りを頼ることの大事さを知りました。とはいえ性格の問題なので考えすぎてしまうのはずっと課題ではあり、落ち込んでしまった時などは人と話すなどしてネガティブにならないよう心がけています。

また、目標実現に必要なこと以外は気にしすぎないという姿勢も大事。そういう意味でも、目標を常に意識することはやはり大切だと思います。

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サッカーを辞めたのは女性特有の悩みから。高校時代には月経不順に悩まされ、短大入学と同時になでしこリーグに入ると、ホルモン剤で月経をコントロールした。薬の影響で太りやすくなるなどコンディションの悪化が続き、楽しいから大好きだったサッカーが、楽しさとどんどんかけ離れていく。これから先のこと、女性として生きていくことを想った時、サッカーを辞める決意をした。

 

辞めた後、ただ楽しいことをやりたいという気持ちでいたところに、友人に誘われてフットサルを始めました。当時は上を目指してという意識は全くなかったですが、結局チームに所属し、移籍し、今に至るという……(笑)。

これがやりたい、これしかない、というよりは、現状や将来についてじっくり考え「このままでは嫌だ」という気持ちで道を選び取ってきたかもしれません。競技を続けるための環境選びもそうですが、管理栄養士を目指したのも、短大で取れる栄養士資格だけでは自分のやりたいことが狭まる可能性があり、それが嫌だったから。結果的に自分の望む方向へ進めているのかなと思います。

 

 

競技×食事。自分の経験を生かせる将来に向かって

現在はフットサル選手と保育園の管理栄養士の職を両立している。子どもたちに食について伝える大切さについては気づきのある毎日。

 

コロナ禍で食育イベントの実施も厳しいのですが、所属している園では実際にパン屋さんを呼んでパン作りの年間プログラムを行ったこともあります。楽しく食に触れられるのは子どもにとって素晴らしい体験だと思います。おうちでも取り入れてみてほしいですね。

また、好き嫌いで困っているおうちのかたの声も多いですが、ほんの些細なきっかけで食べてくれることの方が多いんです。

味付けや切るサイズによって食べることができたり、「お友達と一緒なら」「できたてなら」「自分がお手伝いしたものだったら」など、ほんのちょっとの変化で食べてくれることもあるので、どんどん試してみてほしいです。

 

プレーヤーとしての目標は、世界に脅威を与えられるレフティになること。その為には今もこの先も、日々の努力は欠かせない。決して技巧派とは言えない自分だからこそ、日々の練習にプラスして、トレーニングやコンディショニングの時間は誰よりも費やしている。

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また、現在28歳という年齢で、ちょうどセカンドキャリアについても考え始めている時期でもあるという。

引退後も食を通じて人を笑顔にさせる仕事をしていたい。競技者として食事と向き合ってきた経験をいかして、食事管理で苦しんでいる人を助けてあげたいです。食事は正解がないからこそ、その選択肢を増やしてあげられる存在になれたらと思います。

 

 

<宮原ゆかり選手 プロフィール>

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1994年千葉県生まれ。フットサル日本女子代表。2019年よりバルドラール浦安ラス・ボニータスに所属し、日本女子フットサルリーグ2022-2023では3連覇を達成。フットサル選手として活躍する傍ら、管理栄養士として子どもたちの栄養管理やジュニアアスリートの食事サポートの活動も行っており、企業と共同した関連新規事業などにも積極的に携わっている。

 

■公式戦情報

・JFA第19回全日本女子フットサル選手権大会 全国大会

・大会期間:2023年3月3日(金)~5日(日)

・会場:浜松アリーナ

【大会公式HP】https://www.jfa.jp/match/womens_futsal_2023/

 

<各公式情報>

◆バルドラール浦安ラス・ボニータス

【HP】https://bardral-urayasu.com/

【twitter】https://twitter.com/bardral_urayasu

【facebook】https://www.facebook.com/bardralurayasu/

【ファンクラブサイト】https://bardral-marinero.net/

◆宮原ゆかり選手

【twitter】@yuknari_8

【instagram】@una__86


 

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