【ボーク重子さんインタビュー】 全米最優秀女子高生の母が実践した 「幼児期の子どもとの過ごし方」

アメリカで60年続く、全米の女子高生だけを対象にした大学奨学金コンクールがあります。学力だけでなく、コミュニケーション力、共感力、リーダーシップ、体力、社会貢献力が問われる同大会でボーク重子さんの長女・スカイさん(現在20歳)は2017年に優勝。「全米最優秀女子高生の母」として、重子さんの教育法が注目されました。重子さんが大切にしたのは「非認知能力」を育む子育て法。いったいどのようなものなのでしょうか。お話を伺いました。

>>小学生編はこちらから<<

  

子どもが「安全だと思える環境づくり」が大切

娘のスカイの子育てで、私が最も大切にしたのは「彼女にとって安全な環境をつくる」こと。

安全な環境というのは、“心の安全”という意味ですが、娘が私に愛されていると毎日確認できる環境をつくってあげるようにしました。

 

毎日の何気ない親子のコミュニケーションを大切にする

1_1.jpg

では、毎日愛情を伝えるにはどうすればよいのか、具体的な例にあげるなら、それはとてもシンプルなことです。

朝は「おはよう、今日はどんなことして遊ぶ?」とか、夜は「今日は幼稚園で何をしたの?」とか、「おやすみ。明日はどんなことしようか?」と聞く、ごくごく当たり前の親子のコミュニケーションです。たったこれだけで、子どもは、「自分のことを思って、知りたいと言ってくれる人がいる」と感じることができます。

シンプルで当たり前のコミュニケーションに見えて、実はこれがとても重要。たとえば、ママがいつも怖い顔をして家にいても、子どもは話しかけたいとも思わないし、むしろ素通りします。そして親の愛も伝わりません。日常の中の何気ない声かけですが、これをわが家では小さい頃から毎日徹底して行いました。

  

日本の「いい子」とアメリカの「Good kids」の違い

1_2.jpg

日本でも2020年に「教育改革」が行われるとあって、子育て世代の多くの親御さんが不安を抱えていると思います。アメリカで子育てをしてきた私からすると「ああ、やっと私の愛する日本が変わる」と、とてもポジティブにとらえています。

アメリカと日本の教育で大きく違うところ、それは「いい子に対する考え方」です。

日本的ないい子は、言われたことを言った通りに合理的に「はい」と言ってやる子。たとえば先生に「はい、やってください」と言われて「なぜ?どうして?」と質問する子はあまりいい子ではありません。一方、アメリカの“Good kids”(いい子)は、人を思いやれたり、自分の意志でやりたいと思うことが分かっていたり、自分の気持ちがきちんと表現できたりする子。言われたことを言われた通りにやることは、あまり評価の対象になりません。

 

子どもの「考える時間」は多くの気づきに出会う宝の時間

1_3.jpg

ただ、日本的ないい子や詰め込み教育がダメということではありません。戦後の日本が大きく成功した理由には、こうした合理的なやり方があったからこそだと思います。でも、私の著書『「非認知能力」の育て方』(小学館)で提案している、昨今のアメリカの子どもたちへの教育の考え方は真逆で「非合理的な教育」です。

娘のスカイが小学校3年生ころのこと。学校で九九はおろか宿題も出さないことに驚き、「1+1は2と教えないのはなぜ? 時間ばっかりかかってしまう」と、娘の小学校の先生に言ったことがありました。先生は「答えを覚えさせるのではなく、考えさせる、無駄に見える時間が、気づきの時間になる」とおっしゃいました。

一見、非合理的に見える無駄に実は多くの宝が隠されていることに、その時、私自身も気づいたのです。

大切なのは「自ら発見する喜び、達成感、好奇心、思考力、柔軟性」。人生にとって大切な人間力は、私が「無駄な時間」と思っていた間に培われていたのです。

 

子どもが持つパッションを見つけ、育むこと

1_4.jpg

一見、非合理的に思えるこの教育法は長い目で見れば実はとても合理的です。その結果、何も言わなくても自ら考えて行動する子になるのです。そうなると、学童期も、思春期も、手がかからないわけですから、とても子育てが楽になります。面倒だな、大変だなと思うのは最初だけ。子育ての目的は、「子どもの精神的、経済的な自立」です。そういう子を育てるのが親の責任だと思って、私は子育てをしてきました。きっと、どの親御さんも同じだと思います。

「こんなことがやりたい」という強い思い、「これなら自信がある」という揺るがない気持ち、これらが、これからの時代には大切だと思います。子育ては、子どもたちひとりひとりが持つパッションを育てるということ。幼少期からその子のパッションを見つけることに力を注ぎ、私の愛する日本がどんどん変化していくことを、私も楽しみにしています。

 

prof1.jpg

ボーク重子

ICF認定ライフコーチ。米・ワシントンDC在住。2004年、アジア現代アートギャラリーをオープン、2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」のひとりに選ばれる。2017年、一人娘であるスカイが「全米最優秀女子高生コンクール」で優勝し、多くのメディアに取り上げられる。現在は、日米で講演・執筆活動中。主な著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)がある。

 

2019summer.jpg 

幼児のうちから子どもたちの「なぜ?」「どうして?」という体験したい気持ちをまなびwithとご一緒に。小学館の通信教育まなびwithの年少・年中・年長コースは、幼児期に最適なカリキュラムで楽しく入学準備をすることができます。いつからはじめようかお悩みの方は、ぜひ資料請求してみてください!

小学館の通信教育「まなびwith」幼児コースの特長はこちらから

>>>資料請求はこちらから

> 子育てを考える > 【ボーク重子さんインタビュー】 全米最優秀女子高生の母が実践した 「幼児期の子どもとの過ごし方」

関連記事